「この家、どうしようか…」
ふと、そんなことを考える瞬間が増えてきた方もいらっしゃるかもしれません。
住み慣れた家、大切な家族との時間を過ごした場所。だからこそ、すぐに答えは出せないし、出したくない。
でも、今だからこそ少しずつ「これからのこと」を考えておくことが、将来の安心にもつながっていきます。
「この家を手放すなんて、まだ考えたくない」

長年住んできた家って、ただの建物じゃなくて、いろんな思い出が詰まってますよね。
子どもたちの成長、家族で囲んだ食卓、年末年始のにぎやかさ…
そういった風景が、家のあちこちに染みついていて、簡単には手放せるものじゃありません。
でも最近、「体力的に掃除や管理が大変になってきた」「子どもが家を出て、このまま空き家になるかもしれない」といった声を、高齢のお客様からよく聞くようになりました。
そんな時、「家をどうするか」は避けて通れないテーマになってきます。
終活=整理じゃなく、“残す準備”と考えてみる

「終活」という言葉はちょっと重たく感じるかもしれません。
でも“自分の人生のまとめ”というよりも、“これからの安心のための準備”と考えてみると、少し気が楽になりませんか?
例えば、家の関係の書類を整理しておくとか、空き家になる前に貸す・売る・管理をお願いする方法を考えておくとか。
誰かに決断を丸投げする前に「こうしてほしい」という自分の気持ちをカタチにしておく。それだけで、家族もすごく助かるんです。
「まだ元気なうちに、ゆっくり考えておけて良かった」
そんな風に思える終活も、あるんです。
実際にあった相談:長野市のご夫婦のケース

先日、長野市の郊外に住むご夫婦からこんな相談がありました。
「今のうちに子どもたちと話し合って、家の将来について考えたいんです」と。
聞けば、築50年以上の家で、お子さんたちはみんな県外に出ていて、いずれ誰も住まなくなるだろうということ。
そんな現実を目の前にしても、最初は「処分」なんて言葉を使うのも辛そうでした。
しかし、いろんな選択肢を話すうちに「せめて思い出をちゃんと残してから…」と、ご自宅を写真に撮ってアルバムを作ったり、庭の様子を撮影して子どもにLINEで送ったりしていました。
「家そのものよりも、大事なのは“ここで過ごした記憶”なんですね」
ご夫婦のその言葉に、私も胸を打たれました。
残せる物は残しつつ、これから子どもたちと、家の今後について具体的に意見交換をする予定とのことです。
まとめ〜“向き合う”ことが、家族への優しさ
家にまつわる終活って、「手放す」とか「整理する」っていう冷たい話ではなくて、“大切なものをどう残すか”という心の整理なのかもしれません。
そしてそれは、自分の安心のためでもあり、残された家族が困らないための思いやりでもあります。
誰かに言われて動くのではなく、自分のペースで、少しずつ向き合っていけばいいと思います。
「どうすればいいかわからない」
そう思ったときは、遠慮なく私たち地域の不動産会社にも相談してください。
あなたと、あなたの大切な家のこと。一緒に考えるお手伝いをします。