以前の記事で、空き家を放置すると何が問題なのか、税金や行政指導の面から解説しました。
今回のテーマは、放置された建物自体はどのように劣化の経過をたどるのか?についてです。
人が住まなくなった家は、このように朽ちて行きますー。
湿気は大敵
季節にもよりますが、空き家の窓を開けず換気もしなければ、数日で臭気が漂ってきます。しばらく旅行へ出かけて帰って来たときの空気の停滞感、わかりますかね?
カーテンや雨戸を閉め切ったままだと直射日光が当たらず、湿気も抜けないので、カビ・ダニが繁殖。微生物にとっては快適な居場所になっていきます。
湿気が家中にこもると、特に木造だと家屋そのものが空気中の水分を吸湿してしまいます。
また、水道を使っていない場合、給排水管がサビるなどの劣化が早まります。排水には、外から害虫が侵入できないようトラップ(水をためて壁をつくる封水)がありますが、この水が蒸発することで“行き来自由”になってしまいます。
3カ月もすれば、庭中の雑草も腰上を超える高さまで繁茂し、ボウボウになるでしょう。
1年住まないと家屋はダメになる
放置のままさらに1年経過すると、庭の雑草が家屋の隙間から内部に侵入してくる恐れあり。
ぱっと見は大丈夫そうな建物でも、見えない部分で劣化は着々と進行しています。
さらに何年か経過すると、大雨・台風・雪などによって外壁も傷んできます。屋根も定期的に塗装・防水などが必要ですが、メンテナンスを放棄し続けると建物内に水が侵入…!
そうなったら大変。床下の湿気・水分により、腐朽菌が繁殖。内装材や木材に影響が出ます。
シロアリは湿った木材が大好物なので、中身がスカスカになるまで食べて行くことでしょう。その被害が基礎部分に及んだ場合、家屋が傾く可能性も。耐震性も弱くなるため、地震が起きたら倒壊するリスクも高まります。
リスクといえば、害虫・害獣が集まってくるだけでなく、第三者が勝手に住み着き、寝タバコなどで火事になってしまった空き家も見たことがあるので厄介です。
いざ動かしたいときに費用がかかる
放ったらかしにされた空き家はご機嫌を損ね、色々なSOSを発します。それでも面倒を見てくれないと、害虫を呼び寄せたりするんですね。
長期間放置した状態から、いざ空き家を活用しようと思っても多額の費用がかかることも。
「賃貸したい」→人に貸せる状態にするためリフォーム必須
「売却したい」→建物自体ダメなので解体しないと売れない
…など。ですので、誰も住まなくなった空き家でも管理・メンテナンスは大切なのです。手入れすれば、耐久年数は伸びます。
同じ築年数の物件でも、メンテナンス次第で価格に数百万円の差が出ることもありますから。
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