「そういえば実家、いつ行ったっけ?」長野市で空き家を放置すると起きること

「そういえば、実家どうなってるかな」

ある日の仕事帰り、ふとそんなことを思いました。

前に行ったのは、お正月だったかな。いや、お盆だったかな。

……あれ?

もう一年近く行ってないかもしれない。

でも忙しいし、今度でいいか…。

そんなふうに思った経験、ありませんか?

実は、空き家の相談に来られる方も、最初はほとんど同じなんです。

  • 「放置しようと思っていたわけじゃないんです」
  • 「気が付いたら時間が経っていて……」

誰も最初から「よし!10年間放置するぞ!」なんて思っている人はいません。

ところが、空き家だけは人の予定なんてお構いなし。

人間は一年で少し年を取るくらいですが、家は一年で草が伸び、雨風を受け、少しずつ表情が変わっていきます。

だから今日は「空き家を放置するとどうなるの?」という少し気になる話をしてみようと思います。

怖い話ではありません。

でも、この記事を読み終えたあとに「今度の休みに実家を見に行こうかな」と思っていただけたら嬉しいです。

最初に元気になるのは…やっぱり草です

人が住まなくなった家で、一番の働き者は誰でしょう?

答えは、草です。

毎年、本当に感心するくらい元気です。

「今年は少し控えめでお願いします。」

そうお願いしても、一度も聞いてくれたことはありません。

特に長野市は春から夏にかけて草木の勢いが増します。

庭木が道路にはみ出したり、雑草が隣地まで伸びたりすると、ご近所から心配の声をいただくこともあります。

最初は「最近、実家に来ていますか?」という優しい言葉だったものが、「草がすごいですね」になり、そのうち「木が電線に届きそうですよ」

なんて話になることも。

空き家問題って、実は建物より先に庭から始まることが多いんです。

固定資産税は、忘れていても忘れてくれません

「誰も住んでいないなら、お金はあまりかからないですよね?」

そう聞かれることがあります。

でも残念ながら、固定資産税はとても真面目です。

持ち主が忘れていても「こんにちは。今年も来ました」と言わんばかりに、毎年ちゃんと手元にやって来ます。

さらに、

  • 草刈り
  • 庭木の剪定
  • 修繕費
  • 電気、水道代
  • 管理のための交通費

なども少しずつ積み重なります。

「まだ大丈夫」

その積み重ねが、数年後には思っていた以上の負担になることだってあります。

家は、人が住まなくなると寂しがる

家って、人間に少し似ています。

窓を開ける。

空気が入れ替わる。

水を流す。

掃除をする。

そんな当たり前の日常が、家を元気にしています。

ところが誰も住まなくなると、

湿気がたまり、

カビが出て、

設備も傷みやすくなります。

長野市は冬の寒さや雪もあります。

「去年は大丈夫だった」

その小さな傷みが、翌年には大きくなっていることも珍しくありません。

家もきっと「たまには窓を開けてくれないかなぁ」

そう思っている……かもしれません。

ある空き家で、本当にあった話

以前、空き家レスキューとしてご相談をいただいたお宅がありました。

最初にお話を伺ったとき、ご家族は笑いながらこう言いました。

「いやぁ、あとでやろうと思ってたんですよ」

でも、その「あとで」が数年続いてしまったそうです。

久しぶりに現地へ行くと、庭木は大きく育ち、壁や雨樋にはツタが這い、郵便受けにはチラシがぎっしり。

ご本人も苦笑いしながら、

「ここまで育つとは思いませんでした」とおっしゃっていました。

幸い、建物自体はまだ活用できる状態だったため、売却のお手伝いをさせていただき、新しいご家族へ引き継ぐことができました。

私はこれまで、長野市を中心に数多くの相続不動産の売却仲介を行い、「空き家レスキュー」として郊外の空き家問題にも取り組んできました。

そこでいつも感じるのは「もっと早く相談していれば」という言葉が、本当に多いということです。

空き家は、ご近所との関係にも影響します

空き家は、自分だけの問題ではないことがあります。

例えば、

  • 庭木が隣地へ伸びる
  • 落ち葉が飛ぶ
  • 屋根の一部が傷む
  • 害虫や小動物が住み着く

もちろん、ご近所の方も最初から苦情を言いたいわけではありません。

「危ないから教えてあげよう」

そんな気持ちで連絡をくださる方がほとんどです。

だからこそ、年に数回でも様子を見に行くだけで、防げることがたくさんあります。

「特定空家」になる前にできること

最近はニュースなどで「特定空家」という言葉を耳にする機会も増えました。

建物の状態や管理状況によっては、行政から改善を求められる場合があります。

でも、急に指定されるわけではありません。

だからこそ大切なのは、「そこまで行かないようにすること」です。

例えば、

  • 年に数回は様子を見に行く
  • 草や庭木を手入れする
  • 換気や簡単な点検をする
  • 家族で今後について話し合う
  • 必要に応じて管理や売却、賃貸などを相談する

これだけでも、大きく違ってきます。

病気も健康診断が大切なように、空き家も「悪くなってから」ではなく、「元気なうち」のメンテナンスが何より大切です。

まとめ

空き家は、人が住まなくなった瞬間に悪者になるわけではありません。

でも、時間だけは止まってくれません。

そして不思議なことに、草だけは毎年ものすごく張り切ります。

できれば、草が近所の人気者になる前に、一度だけ実家を見に行ってみてください。

もし、

  • 「売った方がいいのかな」
  • 「貸せるのかな」
  • 「まだ持っていても大丈夫かな」

そんな迷いがあれば、一人で悩む必要はありません。

私の空き家レスキューは「売ること」が目的ではなく、その家にとって、ご家族にとって、一番いい選択肢を一緒に考えることを大切にしています。

そして、もし行政から特定空家として指導を受けるような状態になってしまえば、選べる選択肢は少しずつ減ってしまいます。

だからこそ、何も問題が起きていない「今」が、一番動きやすいタイミングです。

家も人も、悪くなってから直すより、元気なうちのメンテナンスが一番。

それは、空き家にもきっと当てはまるのだと思います。