実家を空き家のままにしておく理由で意外と多いのが「物置として使えるから」です。
しかし実際には、使わない不用品ばかり寄せておく空間になっているもの。結局、いつかは処分しないといけません…。
それならば、家の価値を下げないよう潔く荷物を片付け、貸すか・売るかの活用策を考えてみてはどうでしょう?
まずは各メリット&デメリットを知り、相場や収益性について調べることをお勧めします。やってみると結構おもしろいですよ。
「賃貸」と「売却」のメリット・デメリットを整理
賃貸のメリット
- 毎月の家賃収入が入る
- 空き家にしておくより、建物の劣化の進行を抑えられる
- 将来、自分で使用することも可能
- 「借主DIY可能」という条件にすれば、内装がキレイになることも
賃貸のデメリット
- 貸せる状態にするまで費用がかかる
- 借主が見つかるまで家賃は入らない
- 貸主としての責任が生じる(トラブル対応、修繕義務など)
- 自分の都合だけで家を返してはもらえない
売却のメリット
- 空き家をすぐ現金化できる
- 管理の手間がなくなる
- 維持費がかからなくなる
- 精神的なストレスから解放される
売却のデメリット
- 思い出のある実家が残らない
- 測量費や解体費など売却するための費用が必要
- 売却した翌年に所得税がかかることも
ここまで読んで「確かに物置にするよりは良さそう」と思った方は、次に相場や収益について探ってみましょう。
「賃貸」の収益をざっくり試算
まずは大前提として、その空き家が“貸せる物件”かどうか確認です。
- 市街化調整区域にある
- 住宅ローンが残っている(該当は少ないと思いますが)
- 家屋の傾きや歪みがひどい
いずれかに当てはまる場合は賃貸できません(詳しい理由を知りたい方はメールください)。
貸せる物件だとわかったら…
①地域の家賃相場を調べます
参考サイト:見える!賃貸経営
このサイトは、地図上で長野市の賃貸物件の月額家賃・築年数・間取りなどが調べられるので便利です。
あなたの空き家がある地域の情報を広い、想定家賃を何となくイメージしてください。その想定家賃×12カ月で年間家賃が出せます。
一方で「ぜんぜん賃貸物件が拾えなかったんだけど…」という場合は、賃貸ニーズが低いエリアなので家賃が安くなるか、もしかしたら借り手が見つからないかもしれません。
②諸経費を確認します
年間の固定資産税・建物の保険料・修繕費用(初期で約50万円~?)などを経費として差し引きます。
また、不動産会社に仲介や管理をお願いすると、長野市の場合だと家賃1カ月分の報酬を契約時に1回支払うものと考えましょう。
①の年間家賃から②の諸経費を引けば、空き家を貸した場合のざっくりとした収益(手残り)がわかります。
「売却」の収益をざっくり試算
①ネットで相場を調べる
国交省が過去の売買事例を公開しているサイトがあるので参考になりますよ。
参考サイト:土地総合情報システム
ここから自分の空き家に近い条件の事例を拾い出します。アクセスしてみてください。
「①時期を選ぶ」はそのままで、「②種類を選ぶ」は「土地と建物」をクリックし、「③地域を選ぶ」で「長野県長野市〇〇〇」と入れていきます。すると、過去にどんな物件がいくらで売買されたかがわかります。
②諸経費を確認します
確定測量(約40万円~?要見積もり)、解体費(木造は1坪3万円~)、印紙代(売却価格により異なる)、仲介手数料(売却価格400万円以下=18万円+税、400万円超=売却価格の3%+6万円+税)など。
また、売却して利益が出ると所得税がかかることを忘れてはいけません。ここで細かく説明しませんが、ざっと売却益の20%くらいが税金だと思ってください。
※空き家の所有期間が5年未満の場合は約40%にUP
※空き家を取得した当時の諸費用と、売却時の諸費用を差し引けます
なお、ある条件を満たすと“特例”が使えて税金を減らせます。その話は、また別の機会に取り上げたいと思います。
「賃貸」か「売却」かの最終判断は…
今回ご紹介した内容は、あくまで貸す・売るをイメージするための入り口です。
実際には家屋の状態・敷地の状況・周辺環境・消費者ニーズなどを加味した上で、金額を査定する必要があります。
シロアリ被害はない?雨漏りしてない?床が抜けたりしない?他人を住まわせて大丈夫?
…など細かな点検は、やはりプロの目が必要になります。安全な取引をしたいという方は、一度ご相談ください。
自分の収益だけを優先する姿勢だと、賃貸も売却もうまく行きません。これは断言できます。
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