「空き家を売る」と聞くと、家を片づけて、不動産会社に頼めば終わり。
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
ところが現実は、そう簡単にはいきません。
今回ご紹介する長野市平柴の空き家も、前回の記事でご紹介したように、昭和42年築、建物の傾き、狭い前面道路など、なかなか個性的な条件がそろっています。
それでも「何とか次の人へ引き継ぎたい」という思いから、長野市の空き家バンク登録手続きを進めることになりました。
しかし、その先で待っていたのは、空き家を持つ多くの方が一度は悩む”現実”でした。
まずは長野市空き家バンクの登録手続きへ

この日は、オーナー様、長野市移住推進課の担当者様、そして私の3人で現地集合。
空き家バンク制度の説明を受けながら、建物の確認、写真撮影、必要書類の締結などを行いました。
物件の前面道路の幅は約2m。
部屋によっては「おっとっと」と言いたくなるくらい床が傾いています。
しかし、担当者様にも現地を確認していただいた結果、登録自体は問題なし。
正式な登録通知は、後日オーナー様へ届く予定です。
これでまずは第一関門はクリアです。
登録後は、家財片づけ補助金を活用しながら、売却準備を進める予定になりました。
空き家バンクについて詳しく知りたい方や、補助金制度については、以前まとめた記事もぜひ参考にしてください。
次は家財片づけの見積もりです

空き家バンク登録と並行して、片づけ業者さんにも現地を見てもらいました。
目的は、家財整理の見積りです。
実はオーナー様が以前から少しずつ片づけを進めてくださっていました。
そのおかげで、概ねスッキリはしています。
……とはいえ。
家が大きい。
大きい家は、それだけ入る荷物も多いんです。
押入れを開ければ荷物。
物置にも荷物。
離れにも荷物。
テレビや冷蔵庫など、家電リサイクル法の対象になるものもあります。
これらは処分方法も一般のゴミとは違うため、費用も変わってきます。
そして補助金の対象になるのは住宅部分が中心で、離れや物置小屋の荷物は対象外。
つまり全部を片づけるとなると、思っている以上に費用がかかります。
業者さんは一通り見終えると「全部で○○㎥くらいですね。約70万円でしょうか」。
思わず心の中で「おぉ、やはりそれくらい行ってしまうか…」と声が出ました。
補助金が利用できるとはいえ、オーナー様の自己負担は決して小さくありません。
天井を見上げたら、まさかの”先住民”

見積りの途中。
何気なく離れの天井を見上げると、違和感がありました。
茶色いシミ。
そして天井板が少し剥がれています。
これは雨漏り跡ではありません。
そうです、生き物の糞尿です。しかも、結構な量。
ハクビシンでしょうか。
長い間、この離れを自分たちのマイホームにしていたようです。
天井裏は、まるでハクビシン一家のマンション状態。
マスクを少しずらした瞬間、独特の糞尿の臭いが広がります。
これは雨漏り修理ではありません。
「動物さん、お引っ越しお願いします案件」です。
もちろん、このままでは購入希望者さんも安心して住めません。
家財整理と合わせて、しっかり清掃・対策したいところです。
数日後、オーナー様からのお返事

後日、片づけの見積額をオーナー様へ伝えました。
すると返ってきた言葉は「一旦、保留でお願いします」でした。
理由は、とても現実的なものでした。
- 「補助金は使える。でも先にお金をかけても、本当に売れるかわからない」
- 「もし売れなかったら、そのお金は戻ってこないから…」
このお気持ち、本当によく分かります。
実はこの物件。
以前、別の不動産会社へ売却を依頼していました。
しかし約2年間、売れませんでした。
だからこそ、「もう買ってくれる人はいないんじゃないか」
そんな不安が心の中に残っているのです。
もし私が同じ立場でも、きっと同じことを考えると思います。
だから私は「多少マイナスになっても、とにかくやりましょう!」なんて、無理には言えませんでした。
不動産会社として売ることだけを考えれば、その方が早いのかもしれません。
でも、この家はオーナー様の大切な資産です。
最後に決めるのは私ではありません。オーナー様です。
空き家レスキューは「答えを押しつける仕事」ではありません

空き家レスキューというと、
「片づけます!」
「リフォームします!」
「売ります!」
そんなイメージを持たれるかもしれません。
でも実際は違います。
私の仕事は、答えを押しつけることではありません。
選択肢をご提案し、一緒に考え、オーナー様が納得できる方法を探すことです。
- 片づける
- 貸す
- 売る
- そのまま様子を見る
方法は一つではありません。
だから今回は、一旦保留。
そして私は、別の解決方法を考えることにしました。
遠回りに見えるかもしれませんが、それが一番納得できる道なら、その遠回りにも意味があります。
まだ、この物語は終わりません
今回の平柴編は、決して「うまくいった話」ではありません。
むしろ、立ち止まった話です。
でも、これが空き家のリアルです。
現実はテレビ番組のように、毎回きれいなハッピーエンドではありません。
だからこそ、一つひとつの悩みに向き合いながら、その家に合った方法を探していきます。
平柴の空き家も、まだ物語の途中です。
また進展がありましたら、このブログで続報をお届けします。
次はどんな展開になるのか??
私自身も楽しみにしながら、引き続きオーナー様をサポートしていきたいと思います!



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