県外在住のお客様から相続土地・建物の売却のご相談をいただき、現地調査してきました。
長野市内、土地100坪ほど、築50年ほどの空き家あり。
土地は広くていいのですが、敷地が接道していないという課題がありました。
<接道義務>
建築物の敷地は、幅員4m以上ある(建築基準法上の)道路に2m以上接していなければならない。
…という決まりがある区域なので、現状では家を再建築することはできません。つまり売却は困難ということになります。
空き家まで行くには他人の土地(私道=間口4.2m、奥行き30m)を通らなければいけないのですが、この私道はご近所さん2人が共有している状態。
もし2人のどちらかから持ち分を譲り受けることができれば、4.2m÷2=2.1mで接道が取れます。
今回の相談者様はフットワークがとても軽く、自らご近所さんの片方と交渉し、持ち分を買い取る約束を取り付けることに成功しました(そのご近所さんは別の方向から接道可能なため)。
見事な交渉力です!こういうケースは、業者が動くよりも当人同士で話した方がスムーズなこともありますね。
土地の評価としては、道路に面した整形地に比べると価格は35%ほど低くなってしまいますが、売却できない土地が売却できる物件に変わるのですから天と地の差です。
空き家の方はどうか…と言いますと、やはり利用は難しそうでした。リフォームできないことはないですが、費用がかなり高額になりそう。残置物の処分も結構な額です。
売却の方針としては、空き家を解体してから更地で引渡すのがベスト。解体や建物滅失登記の費用ほか、土地の確定測量費も考えなければいけませんね。
(ちなみに今回の場合、持ち分の買い取りではなく、通行する目的で土地を借りる方法でも接道義務は満たせます)
なお、空き家を解体するタイミングも大切なポイントです。
通常、家屋が建っている土地は固定資産税(および都市計画税)が減税されているのですが、解体すると、この減税が適用されません。固定資産税は1月1日時点での所有者に課されるため、年をまたぐ売却になる場合は、あえて1月1日以降に解体するといいです。
…そんなわけで、今回の案件はお話が進みそうです。引き続き、サポートさせていただきます。
上記のように、売却困難に見えても、やり方次第で状況を打開できることがあります。
不動産売却のお困りごとは一人で抱え込まず、弊社にご相談ください。
参考:売却査定フォーム
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