空き家のご相談を受けていると、物件の状態や立地よりも、もっと根深いものにぶつかることがあります。
それが「気持ちの問題」です。
売るかどうか、管理を続けるかどうか、そのままにしておくかどうか考えなきゃ…
そう頭では分かっていても、なかなか実際には動けないもの。
その理由の多くは、物件そのものではなく、その家にまつわる感情にあることがとても多いんです。
「もう住まない」のに、なぜか決められない

空き家を放置してる方って、実はたくさんいます。
でも「放置してる=どうでもいい」わけじゃないんですよね。
よく聞くのは、こんな声です。
- 親が建てた家だから勝手に手放せない
- 思い出が詰まりすぎて、踏ん切りがつかない
- 地元の人の目が気になる
- 兄弟で意見がバラバラで話が進まない
- 今は使わないけど「いつか」使うかも…
めっちゃ分かります。
私自身、家族内で実家をどうするか?っていう話になった時に、意見が割れて感情がついていかず、モヤモヤした経験があります。
気持ちにフタしなくてOK!でも“棚卸し”はしてみてほしい

無理に「割り切る」必要はないと思ってます。
でも、気持ちに向き合わないままだと、ずーっとフリーズ状態が続いちゃう。
だからこそ、一度、自分の気持ちを“棚卸し”してみてほしいんです。
例えば…
- 「親に申し訳ない気がして…」 → でも親が生きてたら、どうしてほしいって言ってたかな?
- 「思い出がありすぎて…」 → それって“場所”にあるのか、“記憶”にあるのかな?
- 「ただ、なんか動けない」 → それって手続きが面倒?それとも、誰かと話せてないから?
感情って、言葉にするだけで整理されていきます。
自分の気持ちと、しっかり向き合う時間を設けてみてください。
または、一人で抱え込んでると絡まったままだけど、誰かと話すことで解けてくることもありますよ。
「どうするか」はすぐ決めなくて大丈夫です

私がご相談を受けるとき、必ず最初にお伝えしていることがあります。
それは「今すぐ決めなくていいですよ」ってこと。
空き家って、いきなり“売るかどうか”を決めるものじゃないと思ってて。
まずは、話して、気持ちを整理して、それからでも全然遅くないです。
逆に、感情を置いてきぼりにしたまま進めちゃうと、どんなに条件が良くても「なんか後悔してる…」って感じることもあるんです。
最後に:空き家の“処分”じゃなく、“整理”と考えてみて
空き家のことを考えるって、「家を処分する」ことだけじゃないと思うんですよ。
むしろ、自分と家族の歴史を“整理”する時間なんじゃないかなと。
無理に手放さなくてもいいし、無理に持ち続ける必要もない。
大事なのは「どうしたいか」を自分の中でクリアにすること。
もし今、「どうしよう…」と手をつけられない空き家があるなら、結論を出そうとする前に、まずは誰かに話してみてください。
もちろん、私でもいいですよ。押し売りも、急かすことも、一切しません(笑)
あなたが納得して前に進める、そのきっかけになれたら嬉しいです。