中古の家を売買するならインスペクションを!ということで、その必要性について別の記事で取り上げました。
その調査費用は、一般的な一戸建てで税別5~6万円ほど。お金がかかる話なので「売主・買主どちらが負担して行うべきなの?」という質問を受けることもあります。
インスペクションは任意ですし、負担に関する決まりもないため、どちら主導で行うかは自由。どちらか一方の費用負担でも、折半でもOKです。
ただ、私としては、売り出し前に売主負担で行っておくことをお勧めしています。
売主負担でやった方がいい理由
ネットでYahoo!知恵袋を見ていましたら、こんな書き込みを見つけました。
不動産5社に査定してもらったところ、信頼できそうな2社は売主がインスペクションをするもの、ちょっと軽めな印象の2社は買主がするもの、もう1社はやったら不利になると言ってました…
業者によって見解が異なるようですね。
私は“売主負担派”で、所有者がわが家の劣化状況・欠陥などを把握した上で売り出した方が、何かとスムーズだと思っています。
今、ネットで不用品を個人間売買するフリーマーケットが人気ですが、売り手は商品の写真を何枚もアップし、キズや欠損なども申告してますよね。
同様に…と言いますか、さらに大きな商品の「家」となれば、売主はその品質をある程度知ってから出品すべきだと思うわけです。
仲介業者にとっても、詳しい情報が多いほど販売活動しやすいです。
買主負担で行った場合の(売主の)デメリット
上述のように、買主(または購入検討者)の主導・負担でインスペクションしてもらってもOKです。
ただし、調査の結果次第では、購入の話が流れたり、価格交渉される可能性があります。
私の昔の売買仲介で、1件だけ買主が自己負担で行った事例を紹介します。こんな出来事がありました。
- 買主が利用したい住宅ローンの条件に「インスペクションで問題ないことが確認されていること」という項目があった
- インスペクションの予約→実施→報告書待ちで、契約締結まで時間を要した
- 調査の結果、劣化箇所がいくつか報告され、買主から50万円の減額交渉が入った
売主が減額を受け入れ、引渡しまで至りましたが、まさに③のようなデメリットがあります。買主の立場になれば「後から発覚した劣化分は割引いてほしい」と主張したくなる気持ちもわかりますよね。
購入する・しないの検討段階で、買主がインスペクション費用を負担するのはハードルが高いとも言えます。
まとめ
以上のことから、売主負担で信頼できそうなインスペクターに調査を依頼し、販売する前に家の劣化状況を把握しておくことを私はお勧めします。
そうすることで「調査結果を踏まえた価格設定です」と、自信と安心感を持って売却活動に臨めるからです。
もし仲介業者から「インスペクションを実施されますか?」と聞かれたら、YES!と答えていただきたいと思います。
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