放置空き家の所有者は増税⁈どれくらい負担が増えるの?

つい先日、政府の空き家対策法・改正案の概要が発表されましたね。今回は、現時点でわかっている内容について取り上げます。

変更点は主に3つ。

  1. 空き家をカフェや宿泊施設として転用しやすくする「促進区域」というエリアを市町村が指定できるようにする
  2. 管理が不十分な空き家については、土地の固定資産税の軽減を外す
  3. 倒壊しそうな空き家を撤去する自治体の手続きを一部簡略化する

①の促進区域は、観光地や中心市街地などを想定しているとのこと。そうなると、人を呼び込めそうな一部エリアに限定されるイメージです。

郊外の住宅地にある空き家の転用は難しそう。いわゆる“田舎の空き家”の活用はそこまで進まない気がしますが、どうでしょうか。

②は、家が建っている土地の固定資産税は現状軽減されていますが、その特例から外しますよ、というわけです。

特例が無くなれば、固定資産税は約4倍にアップ。放置空き家の所有者を対象にした「事実上の増税」と話題になりました。

「また増税かよ!売るに売れず、解体するお金が無いから空き家のままなんじゃないの…」といった反応もありましたが、「建物があれば税金が安いから放置している」という所有者もいる(身近に実際にいます)ため、特例外しはやむを得ないと思っています。

この対策により、建て替え・賃貸・売却などの活用について考える機会が増えることに期待します。

全ての空き家が軽減を外されるわけではありません。以下のようなものが「管理不全空家(かんりふぜんあきや)」とみなされ、除外の対象になります。

  • 建物の倒壊の恐れがあったり、屋根材・壁材の飛散により近所の家や歩行者へぶつかる危険がある
  • 樹木や雑草が繁茂している
  • ゴミが放置され異臭を放っている
  • 動物が住みついたり、害虫が発生している
  • 塀などの工作物が壊れていたり、亀裂により倒壊の恐れがある

周囲に迷惑をかけ、町の雰囲気を乱している空き家は目を付けられます。とにかく、放置せずに日ごろから維持管理することが大切なのは間違いありません。