私が売却した事故物件のリフォーム工事が、買主のIさん(職業:大工さん)の手によって始まりました。
築51年、2階建て・延床面積288㎡という古くて広い家なので、そこそこ大掛かりな工事になります。
断熱工事や間取り変更、水回り交換などを行う計画だそう。今よりグレードが上がるわけですから「リノベーション」と言った方がいいですね。
家族ふたりが亡くなっている
もともと旧所有者の家族ふたりが自死されている超・訳あり物件(一人は首吊り、一人は焼身)でしたが、Iさんは「そこまで気にしません」と快く購入してくれました。
先日ちょっと様子を見に行ってみると、早速Iさんが(B’zメドレーを聴きながら)壁や床の解体作業をしていました。
「躯体はしっかりしてるし、シロアリ被害も見当たらない」とIさん。
古い家の工事は“開けて見ないとわからない”部分もあったりして、よく事前調査しておかないと想定より費用が嵩んでしまうケースも少なくありません。今のところ問題なく進んでいるようです。
もう売却して手放した物件とはいえ、どんな住宅に再生されていくのか、私は非常に気になります。今後も工事の進捗を追って行き、当ブログで紹介していこうかと思います。
リアルを見てもらうため、動画発信もいいかも。
工事前の↓ビフォー画像もご覧ください。
Iさん、年末からは別現場の仕事のためリノベはお休みし、4月から本格工事するようです。
またその頃、続報を紹介しますね。
“腐動産”だった家が、良質な家へ生まれ変わっていくプロセスをお楽しみに!
売却までの経緯①事故物件オーナーになった私
「相続した実家をとにかく早く処分したいんです。ここで昔、家族が…」
5年前、別の不動産取引を通じて知り合った旧所有者さんから相談を受けたことがきっかけです。
長野市郊外、敷地160坪に建つ、立派な日本家屋と鉄骨造倉庫。どっちも空き家です。
母屋を初めて内見したときは、正直言って怖かった…。カーテンを閉め切った室内は真っ暗、家財類も仏壇・遺影もそのままで、雨漏りのせいで湿気臭い。押入れから本当に誰か(何か?)がにゅ~と出てくるんじゃないか?と思ったくらいです(ビビりなので)。
旧所有者さんは県外在住。親子間で色々とあったそうで、管理を一切されず20年近く放置されていた模様。今後も利用する考えはなく「タダでもいいので引き取ってくれる人はいないでしょうか?」とのことでした。
これからも放置状態が続けば、ご近所迷惑になり、放火や不法侵入を招く可能性大。
ならば…ということで「私が購入して使います」と申し出て、引き取ることになりました。
売却までの経緯②諸費用がこんなにかかるとは…
まずは片付けです。取引先の産廃業者に回収を依頼したり、売れそうな贈答品や家具セットはリサイクルショップに売りに行きました。
仏壇・遺影・位牌はしっかり供養し、処分してもらいました。
物件購入と片付けを合わせると、結構な費用に…。
- 所有権移転登記
- 不動産取得税
- 建物の保険
- 固定資産税
- 庭木の伐採~整地
- 不用品処分・供養
- 鍵交換
- 雨漏り箇所の応急処置
- 近隣へのご挨拶品
家本体のほかに要した費用は、ざっと90万円超え。
母屋は自分で物置or趣味部屋として使いつつ、鉄骨倉庫は人に貸すことで費用分を回収しようと考えました。
売却までの経緯~③ご縁に恵まれ感謝
ご挨拶のため、ご近所さん3軒を訪問。空き家なので、何か気づいた点や問題があったら即連絡ください!と電話番号を伝えました。会ってみたら、皆さんとても良い方でした。
1軒目のご主人様「ずっと空き家だったから、誰かに住んでもらえると有難い。実は(旧所有者が管理しないので)庭木の手入れは、私がやっていたんです。これで肩の荷が下りる」
2軒目のご夫妻「ご丁寧にご挨拶なんて。こちらこそ、よろしくお願いします」「いっそ、こっちに移住すればいいじゃない」
3軒目のご主人様「幽霊屋敷みたいな空き家だったから心配してた。人の出入りがあった方が安心だよ」
長年放置された空き家(しかも訳あり)が隣にある状態というのは、多かれ少なかれ精神的な負担になる…ということがわかりました。
そして、もう一つのご縁が、冒頭に登場した大工さんです。共通の知り合い業者さんを通じて出会いました。初めは賃貸で使ってもらっていましたが「フルリフォームして住みたい」と希望されたので、売買することで合意しました。
結果、旧所有者さんにとっても、ご近所さんにとっても、大工さんにとっても、私にとっても良い着地となりました。
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