賃貸アパートの空室を埋めるのも大変だけど、“厄介な入居者”にずっと居座られるのも困る…そんなモヤモヤを感じたことがあるオーナーさん、多いはず。
今日は、そんなときに検討されることが多い「定期借家(ていきしゃっか)契約」について、やさしく解説します。
そうですね〜、今回は“お寿司屋さん”で例えてみましょうか(笑)
定期借家契約をざっくり言うと…

これはズバリ、「最初から“何月何日まで”って決めて貸す契約」です。
そしてその日が来たら原則サヨナラ、延長は基本ナシ!
メジャーな普通借家(ふつうしゃっか)契約が「食べ放題のお寿司」なら、定期借家契約は「90分一本勝負の食べ放題」みたいなものです。
オーナーにとってのメリットは?

- 終わりの時間をコントロールできる! ⇒ 「数年後に建て替える予定がある」とか「子どもが戻ってくる予定」でもOK。
- 短期でも貸しやすい! ⇒ 3年だけとか5年だけ、みたいな使い方もアリ。
- 正当事由がいらない! ⇒ 「お時間でーす!」って言えば、基本それで終了です。
- 厄介な入居者を追い出せる ⇒ 家賃を滞納する・騒音問題を起こす・勝手にペットを飼う…など、契約違反者とサヨナラできます
もちろん、双方の合意があれば再契約できるという内容にしてもOK。
お客さん「90分じゃお腹いっぱいにならなかったから、もう一回90分食べ放題いいかしら?」
お寿司屋さん「はいよ!ネタも豊富にありますから、どうぞどうぞ!」
…って感じです。
デメリットもあるんです…

- 入居者がちょっと敬遠するかも… ⇒ 「え、90分で終わりなの?無制限のお店を探そうかな…」みたいな感じで。
- 説明が必須! ⇒ 「このお店は90分制です」って最初に説明してサインもらわないと、あとでトラブルに。
- 満了前の通知を忘れると大変! ⇒ 「そろそろラストオーダーです!」の声かけも必須。声かけしないとトラブルの元。
最初に期限を決めて契約するんですが、途中でも、あらためて「◯月◯日で終了します」と書面で知らせる必要があるんです。
手続きで大事なポイント

- 契約書は必ず紙で渡すこと! ⇒ 「あ、口で説明したから大丈夫っしょ」はアウト。
- 更新のない契約ですよ、と説明する! ⇒ 書くだけじゃなく、ちゃんと「言う」も必要。
- 満了通知を忘れずに! ⇒ 契約期間が1年以上なら、終了の1年前〜6か月前の間に「そろそろ終わりますよ〜」と紙で通知。
結局どういう人向け?
例えば…
- 数年後に物件を売る予定のオーナーさん
- 単身赴任の間だけ貸したい人
- 周辺よりちょっと安めで貸す代わりに「更新なし」を条件にしたい人
こんな方にはピッタリ。
逆に、
- 空室リスクを減らして、長く安定収入を得たい
- 入居者が長く住んでくれる方が助かる
というオーナーさんは、普通借家契約の方が向いてます。
まとめ
「定期借家契約って難しそう…」
そう思うかもしれませんが、要は「何分制のお寿司屋さんにするか、最初に決めるだけ」の話なんです。
ただし、説明不足や書類の不備でトラブルになったら元も子もありません。
実際に契約する時は、前もって管理会社と書面の内容などを打ち合わせしてくださいね。