相続した空き家を解体し、更地で売却しようとしたところ…
今回ご紹介するような諸問題が発覚したケース、たまにあります。
解体費以外の費用がかかったり、買主とトラブルになって話が進まなかったりするので要注意です。
地中に廃棄物が埋まっていた
解体したらそれで終わりかと思いきや、建物の基礎部分やコンクリート片、古い水道管、浄化槽、井戸などが地中に残っていたケース。
引き渡し後に発覚しても、撤去の費用を負担しなければならないこともあります。
ある売買契約の特約の例です。
本物件土地に地中埋設物等がありそれらを原因とする損害が買主に発生した場合は、売主が賠償するものとします。
「売却後の責任は一切負わない」という約束も可能。ただし、買主がマイホームを建てる目的を果たせないような埋設物だった場合、契約解除になることもあり得ます。
その土地の履歴を可能な限り調べておくことをお勧めします(生前に親から聞いておく、ご近所さんにヒアリングするなど)。
境界が不明瞭or越境がある
お隣さんとの境界線がはっきりとしていない土地は売りにくいです。測量・境界立会を行い、明確にしてから引き渡すことが、トラブル回避の条件となります。
また、建物を解体して視界がすっきりしたら、お隣さんからの越境に気づくケースも。
今まであった事例では、お隣さんの土留めが、庭木の根っこに押しやられ(売主側の土地に)数センチ越境していた物件がありました。お隣さんは「根っこだから意図してやった訳ではない。そちらの負担で直してもらう分には問題ない」とのことで、売主負担で直しました。
また別件では、お隣さんのフェンスの基礎が土中で越境してしました。(お隣さん)「業者がやったことだから私は知らない。そちらの費用負担なら好きに処理してもらっていい」。こちらも売主負担で撤去となりました。
いずれも本来はお隣さん負担で越境を解消すべきですが、費用がかかるため、すんなり対処してもらえないこともあるのです。
建物の再建築に支障が出る
解体することばかり考えていたけれど、そもそも接道義務を満たしておらず、売却しても再建築できない土地だった…という話も稀にあります。
<接道義務>
建築物の敷地は、幅員4m以上ある(建築基準法上の)道路に2m以上接していなければならない。
また、こちらもレアケースですが、市街地で地目が「畑」「田」のまま住宅が建てられており、解体前にまず「宅地」に地目変更しないと後々の手続きが面倒そうな土地もありました。
案件によっては、順番を間違えただけで売却価格が下がったり、売り買いできないこともあるので注意が必要です。
まとめ
以上、空き家を解体して土地売りする際に問題となる事例を紹介しました。解体費とは別に追加費用が発生することもあると覚えておいてください。
ちなみに、建物を解体した場合は1カ月以内に「滅失登記」というものを行う必要があります。
これを行わないと、次に購入する買主の住宅ローン承認が下りないなどの影響が出ます。土地家屋調査士に依頼すると5万円前後〜。
解体と滅失登記はセットという点も押さえておいてください。
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