「使っていない空き土地を活用したいけど、多額の初期投資はしたくない…」
そんな地主さんの選択肢としては、土地をそのまま貸し出す方法があります。
借主は、その土地の上に建てたマイホームに住むことを目的として地代(賃料)を支払います。これを「借地契約(しゃくちけいやく)」と呼びます。
今回は、土地を貸す際の相場はいくらか、借地契約の期間にはどのようなルールがあるのか…について解説したいと思います。
土地を貸す相場はいくら?
土地を貸す地代(賃料)を計算する方法はいくつかありますが、結論としては「ケースバイケース」というのが正直なところです。
とはいえ、一般的な相場・目安を知る簡単な方法はこちらになります。
(住宅地域)年額賃料=土地の固定資産税+都市計画税の額の2〜4倍
(商業地域)年額賃料=土地の固定資産税+都市計画税の額の3〜4倍
例えば、固定資産税を毎年50万円払っている土地でしたら、年間賃料は100万円〜200万円が目安となります。
賃料の支払いは「毎月末日までに翌月分を支払う」という約束が多いと思いますが、半年払いや年払いでも(期日までなら)問題はありません。
支払い状況が記録に残るよう、銀行振り込みにしましょう。
専門家でも賃料の算出結果は異なる
正確な土地の賃料を知りたい場合は、不動産鑑定士に依頼することになりますが、専門家の間でも結果が異なることもあります。物件ごと、以下の要素も加味して賃料を算出するからです。
- 立地条件・利便性
- 形状・面積
- 道路との接続
- 法令上の制限
決まった計算式があるわけではないということをご理解ください。あとは、地主さんと借主が協議し、お互い納得できる金額を決めることがポイントになります。
ちなみに、土地の賃料収入は「不動産所得」に分類され、所得税だけかかります。消費税などはかかりません。
借地契約の期間はどれくらい?
上述した通り、借地契約は(借主の)建物の所有を目的としますので、短い期間にすることができません。「借地借家法」という法律に基づき、契約期間には次のルールがあります。
- 30年より短い期間にすることはできない
- 30年より短い期間で約束しても、その約束は無効になり、自動的に30年になる
- 30年以上の約束にした場合は、その期間が適用される
- 契約を更新することもでき、その期間は1回目の更新が20年、2回目の更新は10年(これより長い期間にするのは自由)
このルールは現在の法律に基づいていますが、1992年8月1日より前に締結された契約については「旧法」の適用になります。旧法では、土地に建つ建物の構造によって契約期間が異なります。参考までに、以下に紹介します。
- 鉄筋コンクリート造などの「堅固な建物」の場合は最低30年で、特に期間の取り決めをしなかった場合は60年になる
- 木造などの「非堅固な建物」の場合は最低20年で、特に期間の取り決めをしなかった場合は30年になる
- 更新の期間は、堅固な建物は30年、非堅固な建物は20年(これより長い期間にするのは自由)
今回解説した借地契約のほかにも、初めから期間を定めておく「定期借地」という更新なしの契約形態もあります。参考程度に覚えておいてください。
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