中古住宅を査定していると、たまに「ん?」と感じる瞬間があります。
今回ご紹介するのは、実際にあったシロアリ被害の住宅のお話です。
外から見ると、とてもきれいな家でした。
庭も手入れされていて、「いい家だなあ」という印象。
…しかし、家の中に入ってすぐ。
私はちょっとした違和感を感じました。
玄関を入って「床がふわっ?」

その家は築30年ほどの木造住宅。
外観はとてもきれいで、「シロアリ」とはまったく無縁そうな雰囲気でした。
玄関を入り、リビングへ向かって歩いたときのことです。
一歩、二歩、三歩…。
そのとき、床を踏んだ足が「ふわっ」と沈んだのです。
といっても、トランポリンみたいに沈むわけではありません。
感覚としては、マシュマロをちょっと踏んだ感じです。
普通に歩いていたら気づかないくらいのレベル。
でも、不動産の仕事をしていると、この感覚はちょっと気になります。
やわらかく沈む床は、シロアリのサインのことがあるからです。
床下を見てみると…やっぱりいました

売主さんの了承をいただき、床下点検口から床下を確認してみました。
すると、基礎のコンクリート部分に、鉛筆くらいの太さのトンネルのような土の筋が見えました。
これはシロアリが作る「蟻道(ぎどう)」という通り道です。
簡単に言うと、シロアリ専用のトンネル道路みたいなものですね。
さらに土台の木材をよく見ると、木の表面がスカスカになっている部分がありました。
見た目は普通の家でも、床下ではこうして“こっそり食事会(しかも木材バイキング)”が開かれていることがあるのです…。
シロアリは「古い家」だけの問題ではない

シロアリというと「かなり古い家の話でしょ?」と思う方も多いかもしれません。
しかし実際には、
- 築30年ほど
- 床下の湿気が多い
- 空き家の期間が長い
こうした条件がそろうと、シロアリが発生することがあります。
特に空き家は要注意です。
人が住んでいない家は、窓も開けない、換気もしない。
つまりシロアリからすると「静かでジメジメしてて最高のレストラン」みたいな環境になりやすいのです。
中古住宅を見るときの簡単チェックポイント
中古住宅を内覧する際は、次のポイントを少し意識してみてください。
- 床を歩いたときにフカフカしないか
- 窓枠や柱に小さな穴がないか
- 基礎に土の筋(蟻道)がないか
- 春先に羽アリを見ていないか
もちろん、これだけでシロアリかどうかを完全に判断することはできません。
でも、家を見るときに「なんか変だな?」という小さな違和感に気づくことは、とても大切です。
早めに見つかれば、大きな修理にならないことも
今回の住宅は、幸い被害はまだ浅い段階でした。
床下の防蟻処理と、一部の木材補修で対応できそうです。
シロアリというと怖いイメージがありますが、早めに見つければ被害は小さくて済むことも多いのです。
中古住宅を見るときは、
- 間取り
- 日当たり
- 駐車場
なども大切ですが、こうした家の健康状態にも少し目を向けてみると安心ですね。
ちなみに…シロアリ修理はいくらくらい?
「シロアリって、修理代が何百万円もするんじゃ…?」
と心配される方も多いのですが、実際の費用は被害の程度によって大きく変わります。
今回の住宅のように初期段階の被害なら、床下の防蟻処理+軽い補修で15万円〜30万円くらいで済むケースもあります。
一方で、被害が進んでしまい、
- 土台
- 柱
- 床
へと広範囲が傷んでしまうと、床を解体して木材交換が必要になり、50万円〜100万円以上かかることもあります。
つまり「早く気づけば出費も少ない」というわけですね。
中古住宅を見学するときに「床がちょっと変だな?」と気づくことは、実はとても大切なポイントなのです。










