最近いただいたご相談のひとつ。
「実家のマンション、空き家になってて…。貸すか売るか考えてるんですが、どうすればいいですか?」
というもの。
そう、一戸建ての空き家とはちょっと事情が違うのが、分譲マンションなんです。
今日はその、マンションならではのポイントを「貸す・売る」両面からまとめてお伝えします。
マンションは「自分のもの」じゃない?!

突然ですが、クイズです!
Q:分譲マンションを持っていたら、その物件は“全部”自分の持ち物?
A:いいえ、違います。
実は、分譲マンションは「専有部分(部屋の中)」は自分の所有ですが、エレベーターや廊下・外壁などの「共用部分」は、みんなで共有しているものなんです。
なので、例えば、部屋を貸したいと思っても、自分だけの希望・判断では進められないこともあり得るんです。
【貸す場合】分譲マンションを賃貸に出すときの注意点5つ

① 管理規約を必ず確認!
管理組合の「規約」で賃貸そのものを禁止している物件もごくまれにあります。
また、ペット不可なのに借主が犬を飼ってトラブルに…なんて例も。
チェックすべき項目はこちら。
- 賃貸が許可されているか
- ペット・楽器などの使用条件
- Airbnbのような「民泊」の禁止条項
② 「貸す責任」はオーナーにある
借主が何かトラブルを起こしたとき、責任を問われるのはあなた(貸主)です。
共用部での騒音・ゴミ出しルール違反などで、管理組合から注意が来るのはオーナー宛。
管理会社や仲介業者と連携して「借主への説明責任」をしっかりと果たしましょう。
③ 設備の老朽化リスク
空き家になっていた分譲マンションは、案外給湯器やエアコンが使えなくなっていることも。
貸し出す前にチェックして、必要があれば修繕や交換を。
古いマンションだと、ガスエアコンだったり、天井埋め込みエアコンだったりして、交換費が予想以上にかさむかも。
特に水回り(トイレ・お風呂・給湯器)は要注意です!
④ 管理費・修繕積立金は継続して支払う必要あり
部屋を貸していても、オーナーの義務として毎月の管理費などは支払い続けなければなりません。
管理費、修繕積立金、自治会費…。
「賃料の中からまかなえるか」を事前にシミュレーションしておくと安心です。
⑤ 賃貸に出すなら「火災保険の内容」も再確認
自分が住んでいたときと、貸すときでは必要な保険内容が異なります。
火災保険は「賃貸用」への変更も検討しましょう。
もしも、借主が水漏れ事故を起こして階下へ迷惑をかけたら…
もしも、借主が室内で亡くなって発見が遅れたら…
など、様々なリスクを想定することも貸主の仕事です。
【売る場合】中古マンションを売却するときの注意点3つ

① 管理状態と修繕履歴が“価値”を左右
一戸建てでは建物自体の状態が重視されますが、 マンションでは「管理状態」も価格や売れ行きに大きく影響します。
こんなポイントを見てみましょう。
- 管理人は常駐か?
- 清掃は行き届いているか?
- 共用部の改修は計画的に行われているか?
- 修繕積立金の残高は?
管理がしっかりしている物件は、買い手にとって安心材料になります。
② バルコニーや窓も「専有部分」ではない!?
意外と知られていませんが、バルコニーも「共用部扱い」が基本。
そのため、リフォームやガラス交換にも制限がある場合があります。
売るときの広告文にも注意が必要です!
③ 売却には管理費などの滞納も影響
過去に管理費や修繕積立金の滞納があると、売却時に清算を求められるケースもあります。
また、滞納が多いマンション全体は「管理に問題あり」と見なされ、敬遠されがち。
査定前に、念のため自分の支払い状況を確認しておくのが安心です。
まとめ:マンション空き家は、周囲との繋がりがカギ
一戸建てと違って、マンションは「共有の空間に住まわせてもらっている」という性質が強いです。
その分、貸すにも売るにもルールと配慮が必要。
- 管理規約の確認
- 修繕状況のチェック
- 信頼できる不動産会社への相談
をしておくことで、後から「えっ!そんなルールあったの?」というトラブルを防げます。
分譲マンションの「売る」「貸す」のご相談も、無料でお受けしています。
「しばらく放置してて不安」「とりあえず状態だけ知りたい」という方も結構です。
お問い合わせください。