「山が好き」と言うのは簡単だけど、山に関わるって、想像以上に骨が折れる。
でも、それ以上にワクワクもする。
そんなことを実感したのが、5月末に参加した森林整備グループ「信州モリス」の勉強会でした。
林業はオワコン?!
…いやいや、発想を変えれば新しい世界が見えるかもしれませんよ。
信州モリスって、どんなグループ?

この春、新しく立ち上がった「信州モリス」。
長野市の大岡エリアや信州新町牧郷エリアを中心に活動する、森林を元気にしようという有志グループです。
メンバーは8人。
まだ小さなチームですが、やろうとしていることはとても大きい。
放置された山が増えている中で「選択と集中」で価値ある山を見極め、将来的には林業ができる山に整備していこう!
…というのが基本スタンスです。
そしてただの整備だけでなく、自然に関心のある大人や子どもたちに森の魅力を伝えたり、イベントを企画したりと、山をもっと“人が集まる場”に変えていきたい、そんな思いもあります。
山林に関わる前に知っておくべきこと

5月の勉強会には、長野地域振興局・林務課の担当者さんが来てくれて、森に手を入れる前の「心構え」や「注意点」についてレクチャーがありました。
最初にビシッと言われたのが、
「山をなめちゃいけません」
…というひと言。
草刈り感覚で山に入ると、大木が倒れて大事故…なんてことも起こり得ます。
特に、チェーンソーを使って伐採するような作業には、きちんとした訓練と技術が必要。
「森に関わる=ロマン」ではなく、「森に関わる=責任」なんだなと、背筋が伸びる思いでした。
さらに、どの山も同じじゃなく、山ごとに地形も木の種類も生育状況も全然違う。
だからまずは、その山の“個性”をちゃんと調べて、どこを残して、どこを伐るのか、その山の未来像(=ゴール)を持つことが大事。
森づくりは数年でできるような仕事じゃない。10年単位、下手すれば世代を超えるプロジェクト。
そんな話に、参加していた全員がうなずいていました。
長野の森林に「意外な現実」

ところで、長野県って森林面積が全国3位(約106万ヘクタール)もあるんです。
にも関わらず「林業ができる山」は、その1/10程度しかないって、ちょっと驚きじゃないですか?
背景には、田舎の高齢化・人口減少、そして技術を持つ林業者の減少があります。
つまり、山はあるけど、人がいない!整備もできない!
そんな状態なんです。
でも、それを「しょうがない」で終わらせたくない。
それが、信州モリスの原動力なんですよね。
不動産業から見た「山のブランド化」

私自身も長野市大岡で不動産取引に関わっていることから、この勉強会にお声がけいただいたのです。
ちょうど、今年度から長野県が始めた脱炭素プロジェクト【わがまちカーボンクレジット】にも興味があって。
これはざっくり言うと、CO₂を減らした分を“価値”として売買できる仕組み。
例えば、森林がCO₂を吸収してくれた分を公的に価格化し、その「枠」を企業がお金で買えるというもの。
CO₂を排出する運送業などの立場からすると、排出した分をガーボンクレジットによって相殺。
2050年を目標とするガーボンニュートラルに向け、環境に配慮した企業努力をアピールできます。
ただ、森林すべてが対象になるわけではなく、しっかり整備・保全され、国が認証した森林に限られるのがポイント。
まさに森林のブランド化です。
だからこそ、信州モリスのような取り組みで、山の価値が高まっていく未来を、私は本気で応援したいと思いました。
所有する山林を放置しているオーナーさん、ガーボンクレジット事業に興味湧きませんか?
森は続いていく
「森に関わるって、こういうことなんだ」
そう思わせてくれた今回の勉強会。
華やかな成果よりも、長くコツコツ付き合っていく覚悟が必要だと学びました。
でも、その分、得られるものは大きい。
景色だけじゃなく、つながりや、生き方のヒントさえも、森は与えてくれる気がします。
信州モリスの活動、これからも応援&関わっていきたいと思います!
長野の山は、まだまだ宝の山です。