「この部屋…何も説明ないけど、もしかして事故物件とか?」
そんな風に疑いながら内見したこと、ありますか?
ネットでもよく見かける「事故物件の見分け方」というワード。
“見破るテクニック”とか、“怖い話風の注意点”とか。いっぱい出てきますね。
でも正直なところ…「それ、本当に気にする意味ある?」って思うんです。
事故物件ってそんなに危ないの?

まず、誤解しがちなんですが、誰かが亡くなった物件=事故物件ってわけじゃありません。
例えば、おじいちゃんが布団でスヤァ…と眠るように亡くなった、いわゆる自然死。
そういうケースって、法律的には「告知義務ナシ」だったりします。
つまり「ここ、実は誰か死んでますか?」っていくら睨んでも、わからないものはわかりません。
借主さんが自死したり病死したりした部屋を、いくつも見て来た来た私でさえ、完璧に言い当てるのは難しい…。
それに事故物件じゃなくても、湿気ムンムン(シロアリ大丈夫?)、虫ワラワラ(隙間あるかも)、隣人メンドクサイ(住んでからわかったら厄介)…物件なんて山ほどありますよ。
じゃあ、本当に気にすべきことってなんでしょう?
大事なのは“過去”より“今”の空気感

私が担当した物件で、ユニットバスの中で借主さんが亡くなったアパートがあったんです。
ユニットを交換して、床クッションフロアや壁クロスを張り替えて、丁寧にクリーニングして…と手をかけたら。
……あれ?空気が、変わった!
何というか「ここ、いける」って感じになるんですよ。不思議だけど本当の話。
実際、次の借り手がすぐ決まりました。
しかも女性一人暮らしで「ぜんぜん気になりませんよ」と、とても気に入ってくださって。
家賃が割安だったこともありますが、決め手はそれだけじゃありません。
つまり、事故物件だったかどうかより、今この部屋が“ちゃんと整っているか”が重要なんです。
その「イヤな感じ」、霊のせいじゃない説

「なんかこの家、居心地よくない」って直感、ありません?
霊的なものに敏感じゃない私も、物件見ててたまにあります。
でも、それって心霊やオカルトじゃないですよ。
たいてい、湿気・カビ臭・下水臭・空気の淀み・光不足みたいな物理的要因です。
人間の五感って、なかなか優秀で、自分の体に合わない部屋に対しては、ちゃんとアラームを発してくれます。
そのマイセンサーは、どんな霊媒師の言葉よりも信じていい(笑)
逆に「ここ、なんか落ち着くなぁ」って思ったら、それは多分“正解”ですよ。
物件の過去より、未来をどうつくるか

事故物件を避けたい気持ち、めちゃくちゃわかります。
でも「事故物件じゃないから安心」って思ってたら、住んでみて地獄だった…なんてことも普通にあるんです。
だから大切なのは、過去よりも「これからどう住んでいくか」なんじゃないでしょうか。
もし「事故物件かも」って理由だけで候補から外そうとしてたら…
ちょっと立ち止まって、空気を吸って、五感を使ってみてください。
そして「お、ここ、意外といいかも?」と思ったら、それはご縁かもしれませんよ。
終わりに
「事故物件」と聞くと敬遠されがちですが、実は、ちゃんとリフォームして空気を整えることで、再生した物件はたくさんあるんです。
過去に引っ張られすぎず、今とこれからを見ていきましょう。
部屋も人生も、ちょっとした手入れで生まれ変わりますよ。
「事故物件の見分け方」よりも「空間の整え方」に目を向けてみると、きっと物件探しの視野が広がることでしょう!